設立の背景

くまもと高齢者支援インフォーマル(介護保険外)サービスネットワーク設立の背景と目的

1)高齢者福祉の現場や高齢者への情報提供

自治体や地域包括支援センター、ケアマネジャー、介護事業者 といった高齢者との接点となる主体にまで、保険外サービスについての情報が十分行き届いていないという現状がある。例えば、介護保険サービスについては地域にどのような事業者、サービスがあるかが整理されていても、保険外サービスとなると、そもそも地域でどのようなサービスが利用可能なのかが一覧で整理されていないことや、 一覧で整理されていても、民間企業等が提供する多様なサービスが網羅的に把握され ていない、あるいはその内容や効果まで十分に把握されていないといった状況も多い。

保険外サービスについては、あくまで個々の人が知り得た範囲の情報収集に留まっているケースが珍し くないであろう。 以上のような状況を受け、高齢者の QOL 向上に資する保険外サービスを提供してい る情報を収集し、「インフォーマルサービスの情報」としてとりまとめることで、保険外サービスの活用促進を図ることが本ネットワーク設立の背景にある。

2)インフォーマル事業者間の情報の共有と新しい価値の創出

これまではインフォーマルサービス事業者が個々に情報を発信して高齢者関連施設や自宅で生活する高齢者のニーズに応えてきたのが実情である。
そこで、介護保険外サービスを行っている民間の事業者が緩やかなネットワークをつくり相互に情報を共有することによりそれぞれの業者が高齢者に関わる現場において高齢者が抱える困りごとや希望に応えることができる情報提供が可能となり、高齢者のQOLに資することを目指したい。

今後、このネットワークによりインフォーマルサービス事業者間の交流が深まることにより、様々な形の連携が生まれることにより点が線となって、新たな価値が創出され、高齢者の暮らしにより役立つ新たなサービスが生まれてくることが期待できる。保険外サービスの活用の促進と同時に新しいサービスの創出が本ネットワーク設立の狙いであり、高齢者が自分らしく心豊かに安心して暮らすことのできる社会をつくることがこのネットワークの目的である。

(参考資料)

厚生労働省2016年3月発行
地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集
保険外サービス活用ガイドブック